いつかの屋上

もう十二月も後半。

冬至も過ぎてしまった。

大人の一年は、時間がすぐに過ぎてゆく。

 

先々週は五反田のTOCで、最後の徳の市が開催された。

今度こそ本当に最後みたい。

もう元からの店はほとんど退去してしまって、セールもよくあるバーゲン会場みたいだった。

これと言って掘り出し物もなかったけど、どういうわけか大物を買ってしまって、それが邪魔で混雑した中を廻るのを諦めて、いつもより早くTOCをあとにした。

まだ建物の閉館は来年になってからだけど、もう本当に最後なのかと思うと寂しい気持ちになる。

コロナ前の盛況だった頃の、あの楽しさはもう無くなってしまう。

最後はいつもは来ないような人たちも多くいて、普段はそこまで人の来ない屋上もいろんな人が来ていた。

あの屋上で、羽田を離着陸する飛行機が行き交うのを、見ることももう無くなる。

 

あの近くで短い間働いた時期があったけれど、あれからも随分と時間が経った。

あの頃はまだ三十代だったのだ。

それが、つい十年前かそこらにしか思えない。

本当に人生なんて短いものだ。

この勢いで、あとの二十年なんかすぐ終わる。

 

この間から、何か書きたいことがあったのに、それが想い出せない。

出社したり在宅したりしながらも、毎日働いている。

でも昨年と比べてあんまり頭を使う仕事もしていない所為か、すっかり記憶力が落ちてきた。

人の名前も全然出てこない。

社内でもとりわけ静かな職場だし、今時は固定電話が廃止されてしまったので、電話もならないので雑音がほとんどない。

刺激が無さすぎてボケる一方。

固定電話って、本当に無くなってしまって良いもんなんだろうか。

災害の時にTeamsなんて繋がるんだろうか。

 

クリスマスが終われば、もうお正月。

この間ふと買い物の帰りに夕暮れの中を歩いていて、もう一生ひとりなのかとちょっとしみじみ寂しくなった。

来年のお正月も、私は多分ひとりで忙しい。

一般参賀はさすがにもう行かないけど。

いつかの屋上