桃と熱射病

だらだらと夏が来た。

 

この辺りの住宅街は、最近あまりセミの声を聴かなくなった。

暑すぎて鳴かないというのもあるらしいが。

 

最近の常識で、体温を下げるには手のひらを冷やすというのがあるが、私みたいに子供の頃から体温調節が苦手な人は、多分みんな知ってた事じゃないかと思う。

昔は今ほど暑くもなかった北の国で、高校まで三十分以上掛けて歩いて通っていた。

ゆでダコみたいになって高校に辿り着き、4時間目が終わるくらいまでずっと真っ赤な顔をしていた。

その頃から、手洗い場で手を冷やすと楽になる事に気がついて、暑い時は手を冷やすようになった。

最近になってそれが常識になって、なんか今更感がある。

 

 

ここのところ桃を買って悉く失敗している。

二個入でちょっと安めの桃、白鳳を買って、表面はまだ硬かったのでしばらく常温で置いておいた。

数日後に、表面はまだ硬かったけどそろそろ食べようかなと、網を外したらヘタの辺りが真っ黒になっていて、切ったら中が全部だめになっていた。

懲りずに数日後に別の店でまた白鳳二個入りを買って、二日後に食べようと思ったら今度は一個は網を外すと腐っていた。

結局二回で千二百円くらい払って桃一個しか食べられなかった上、残った一個も全然美味しくなかった。

こんなに外れ桃を引いた事は、今まで生きてて一度もなかった。

もう二度と白鳳は買わない。

 

夏真っ盛りで、摂氏三十五度も軽く超えるようになった。

午後の三時を過ぎた、今頃が一番暑い。

出かけようかどうしようか。

 

出かけたら、すいかでも買って帰ろうか。

夏休みがはじまる

連休の初日。

連休だったのね。

毎日が休日なので、連休とか関係ないけどな。

いっそ平日だと思って油断して出かけて、人の多さに辟易して帰ってきたりする。

 

今日も午後から雨かしらと思っていたが、ポツポツと降っただけでその後は晴れてきた。

それと一緒に少し涼しい風も吹いてきて、エアコンいらないくらいかも。

 

七月も後半で、来週から公立の学校は夏休みに入り、ラジオ体操は巡回が始まる。

今年も、かんぽのラジオ体操カードはポケモン。

 

先月まで働いていた仕事を、私がフルタイムで働く最後の仕事にするつもりだったので、なんだかいろいろ調子が狂う。

昔のように一ヶ月とか三ヶ月とかの仕事を探すにも、探し方がいまひとつわからない。

シニア向けスキマバイトみたいなのは、作業ばっかりだし。

若い人向けの単発の入力作業みたいな求人は、どうも気が引けるし。

 

この休みはちょっとちゃんと身辺を整理する予定ではあるから、時期的には良かったのかもしれないけど、真夏なのは辛い。

働いていれば掛からない、昼間の電力消費は大きい。

寒いは我慢できる。着ればなんとかなる。しかし、暑いは命取りだからエアコン点けないわけにはいかない。

図書館は長時間閲覧席を占拠する人々で埋まっているし、カフェやファミレスも今どきそんなに長居し辛いし。

どこかにお金が掛からず、しかも長居出来る徒歩圏内の涼み処はないものか。

 

図書館で涼んでいる年配の方々というのは、多くは男性でたぶん既婚者だと思うが、奥さんは家に居てエアコンを点けて過ごしているのだろうか。

だったら家に帰って一緒に涼んで欲しい。

独り身で電気代も節約したいBBAに、席を譲って欲しい。

お家に居辛いのかな。

余程仲の良い夫婦でない限り、老夫婦が家にずっと居てもイラつくだけなんだろうか。

だったら仕方ないのか。

とかいろいろ推測。

 

ウィスキーがお好きでしょのCMを見ていて、あんな店の外に花火が見れる場所があるバーとかあって、常連さんが花火を見つつ水割り飲んだり出来るなんて夢よね、と思う。

あんな場所、都内には多分ない。

花火をあんな風に見てみたい。

そういえば昔、まだ土曜日に仕事をする会社が多かった頃、隅田川の花火を見に行くと、近くの会社のビルの窓や屋上から、そこの社員がビール片手に花火を見ているのが見えて、いいなぁと思ったものだ。

今では花火を開催する日が休日だから、あれも今はないのかもしれない。

遊泳

働いていないし、なんかもう半分働くことを諦めているので、なんとなく遊泳気分。

 

遊泳といえば、本当にプールとかで泳ぐのも良いかも。

しかし、今ひとつプールの作法がわからない。

よほど空いてる時では無い限り、1レーンをひとりで独占はできないだろうし、誰かがすぐあとに追いかけて来る感じだと落ち着かないだろうし。

三十歳過ぎてから泳ぎを習って、それ以降はプールに行った事がないので、今ひとつ区営プールとかの使い方がわからない。

今でもクロール出来るかしら。

 

仕事を継続できなかったがっかりな感じは未だにあるが、派遣の宿命だから仕方ない。

日本ではいつまでも、派遣の扱いはこんなもの。

昔々は派遣の時給は高くて、専門的な職業だったけれど、今では違うしね。

がっかりしてても仕方がないので、今こそ部屋を片付けようと思う。

前の住居から引っ越す際にどこに行ったかわからなくなった物とかも、どこかから探し出さないと。

いや、もしかして一箱くらい引越時に荷物を紛失したのかもしれないけど、それすらわからない。

さすがにこの歳だから、いつぽっくりお迎えが来るかも分からないし、そうしたら持っていけるものなんか無いんだし。

もうあとは、少しの物と綺麗な物に囲まれて暮らしたい。

 

今となってはお荷物の固定電話の権利も、どうにかしないと行けない気もする。

使わないもんなぁ。

電話回線で、インターネットが出来た時代は終わったし。

平成が始まった年に買った電話機は、今も捨てずに置いてある。

 

昨日まで数日真夏日が続いていて、もう梅雨が開けたみたいだったが、今日は曇天でいくらか涼しい。

それでも三十度近くになってると思うけど。

 

二年前の今頃も仕事をしていなかったけれど、その時はいろいろ身辺が落ち着かない時期だった。今回はもう焦らず身辺を整理しようと思っている。

ここ数日、夏空の中、外を歩いていて、あーこういう風に昼間の時間にぶらぶらするのが好きだったよなーと思った。

そういう生活がずっとしたかったのだ。

入道雲に蝉の声、近くのプールからは子供の歓声。

そういう夏。

今は区営の屋外プールはなさそうだけどね。

時間旅行

働かない時間のなんとすぐ過ぎ去るものよ。

 

だらだらとしてても時間はあっという間に過ぎてゆく不思議。

 

最近のコミックとかドラマとか小説とか、タイムリープとか異世界転生とかばっかりだよね。

そんなにみんなやり直したいのだろうか。

 

やり直せるならやり直したいとは思うよね。

あの時に戻って、今度はうまくやるよと思うよね。

人生の汚点とも言える馬鹿な男と付き合った事とか、そして人生を台無しにした事とか、あの時点に戻れたらとは本気で思ったよね。

 

この世界から居なくなった彼を救える時点まで戻って、全然違う出会いをして彼を助けたいとも思うよね。

なんなら小学生に戻りたいとも思うよね。

そこからやり直せば、少なくとも今こんな事にはなっていない。

 

でもな、さすがに還暦まで生きたら、もうやり直すの大変だよね。

 

かと言って、若返りが実現して、八十歳になった私が二十五歳に若返ったとしても、精神年齢は八十代だしね。

彼が生まれ変わって私を探してくれるなら、それも良い気がするけど、生まれ変わった彼は、やっぱりその時のリアルな若い子と仲良くしたいだろうし。

ひとつの人生で二百年とか生きられたら、それはそれで面白いけど。

 

私が二十代の頃、六十代の女性なんて、もう働いていないのが普通だった。

今はそうもいかんので、私は仕事を探しているが、なんすかね。

こんな時代がくるなら、もっと頑張っていろいろ身につけておけば良かった。

そしていろいろ投資とかしておくべきだったね。

今からでも、なんかお金増やさないとね。

若い人の投資ブログとか見てると、手堅く増やしてて偉いなと思う。

投資が博打みたいものしかなかった時代のBBAには、全然やり方がわからないがいろいろ勉強しようと思う。

 

最近若い頃住んだ辺りを時々歩く事があるけれど、自分がまだ前途洋々だった頃にその道を歩いた時の同じ季節の空気感を感じると、なんとも切なくなる。

あの、まだ何者かになれそうな気がしていた自分の気持が蘇ってきて、それが失われた事に切なくなる。

 

仕事もうしたくねーなーとも思う、七月の午後。

美輪さんの訃報

美輪明宏さん、九十一歳でした。

 

何でだか昨日、急に台所で「ヨイトマケの唄」を歌ってたんだよね、私。

今までの人生で、ヨイトマケの唄なんて多分歌ったことなかったのに。

なんの繋がりもない人なのに、バタフライエフェクト的なものなのか(違う)

 

美輪さんは、一度だけ遠くから見たことがある。

派遣会社が働く女性に向けたトークショーみたいなのを、登録しているスタッフ向けに開催した時に参加した。

その頃もう金髪だったか忘れたけど、イッセイミヤケのプリーツの服を着て、ひらひらして働く女性への話をしてくれた。

三十分位の短い時間だった気がする。

最後にひらひらして去っていった。

内容はもう覚えていない。

1990年代の終わり頃だったと思うが、2000年に入っていただろうか。

今だったら派遣会社ごときの、あんなしょぼい仕事受けなさそうな気がするけど、その頃はまだ出てくれたんだな。

 

最後に「ありがとう」と言って亡くなったというのも、綺麗な終わり方だな。

最後までひらひらして去っていったのだろう。

 

ご冥福を。

紫陽花の季節

梅雨真っ只中。

台風の影響もあって、今日は雨が強くなったり弱くなったりしながら、一日中降っている。

午後には出かけるつもりでいたけど、結局出掛けない。

こんな日に外に出ても、どんよりした気分で帰ってくるだけだから。

 

明日は何としても出掛けないとと思うので、中に干せる分だけ洗濯をして扇風機を回している。

昨年のシーズン最後に格安で買った扇風機。

その前に使っていたものは、2011年製で14年間使って首の部分がポッキリ折れてしまった。

その部分だけ劣化しやすいプラスチックだったらしく、他は壊れていないしモーターも問題ないけど仕方がない。

しばらく放置していたが、先週末に分解した。

そのまま出すと粗大ゴミだけど、どうせ壊れているのだからネジを外して分解して、金属とプラに分けて、あとは捨てるだけ。

タイマーとかスイッチとか、なんか再利用できないかしらと思ったりするが、まぁ使わないもんね。

 

今年ももう半分過ぎるけれど、ここに来て仕事の契約が終了してしまう。

なんか分からないが、誰かの何かの思惑で、継続出来なくなった。

上長以外の部署の人達にとっては寝耳に水で、部の庶務を後任も入れずに終了させる事にみんな困惑している。

まぁでも事務派遣なんてこんなものだ。

切られる理由はよくある体裁の良いもので、その文言が使われる時は大抵別の理由がある。

きっと私の後には縁故で入る契約社員とかか、若めの派遣社員とかが入ってくるのだろう。

私がいる間に、支店の受注は前年の倍近くになった。

今年は今の時点でさっぱり受注が取れていない。

楽しく働いた職場だったが、最後にちょっとなぁという対応だったのもあり、私は呪いをかけて去ろうと思う。

私がいる間のようには多分仕事は取れないだろう。そういう目に見えないものってありますからね。

ふふふ。

放課後の図書館

仕事帰りに、今の職場から割りと近い図書館に寄ってみた。

行ける範囲に他にもその区の図書館はあるけれど、繁華街に近かったり大学に近かったりと人が多いので、住宅街にあるその小さな図書館に行ってみた。

小さくて建物も古くて、入った時に生まれ育った地方の図書館を思い出した。

本の匂いというか、子供の頃に友人と通った図書館のような匂いがした。

あの図書館にあの子と通っていた時期が、一番幸せな時間だったと今も思う。

図書館には学校帰りの中学生男子が二人、ちょっと話し声が大きいぞと思うくらいに話しながら勉強してたけど、それもまた何か懐かしかった。

そしてその図書館の本の品揃えが、ちょっと偏っていて、それも面白かった。

 

もう一度あの頃に戻って、悲しいことが起きる前の子供に戻って、二人であの図書館で過ごしてみたい。

ただただキラキラと、私達の周りには物語が溢れていた。

あんな気持ちはもう戻らない。

でも時々、あのキラキラの幻を感じる。

でもすぐに現実に戻ってしまうけどね。

 

あれが五十年も前なんて。

あの頃私達は、お揃いの三つ編みだったね。