寒の戻り

暑さ寒さも彼岸までというが、まだ彼岸だが寒の戻り。

今日は真冬並みの寒さ。

その上電力需給逼迫警報が出て、電気の使用も気を使う。

今日は暖房器具を今の所使っていない。

寒冷地に生まれ育ったので、寒いことには慣れているので、今日は一日我慢してみようかと思ったりしている。

こたつを早々に仕舞ったので、今更出すのもなぁとも思うし。

しかし夜はさすがにヒーターを点けるしかないかなぁ。

明日はまた暖かくなる予報。

 

真冬のような気温で、昼頃には雪も降っていた。

彼の居なくなった季節に戻ったようで、少しほっとする。

もういい加減進んでゆくべきなのだけれど、彼を置いて行くようで寂しくなるのだ。

まぁ居なくなった人の方が、違う世界にどんどん進んでいるのだろうけれど。

 

今日は出かけないつもりだったので、さすがに物を捨てようと整理をしていたが、全然進まない。

手がかじかむほど寒いとかいうのもあって、途中途中休んでいると捨てようとした物をまた戻したくなったり、踏ん切りがつかなくなる。

 

今までの人生でいろんな物を一気に捨てたのは、小学校を卒業した時と、実家を出て東京に来る時だった。

小学校を卒業した時の捨て方は、今思えば自分でも痛々しい。

あの時は解らなかったけれど、今ならその痛みの意味が解る。

 

東京に出てくる時も、もう帰らないだろうと思っていろいろ手放した。

今となっては時代的な価値が付いて、高値で売れそうな物もあったなぁと思ったりするが。

あの時、かばん一つで東京に来た身軽さを、もう一度感じてみたい。

 

父方の祖父は、満州に渡ってブローカーのような事をしていたらしい。

出かけたら、数ヶ月帰って来ないような生活。

エーテルかなんかを嗅がされて気絶させられ、気がついたらロシア船に乗せられてたという武勇伝もあった。

あの当時の大陸は、そんな感じだったのだろう。

そういう放浪癖というか、根無し草の気質が私の家にはあるように思う。

 

今の大量の物に縛られて身動きが取れない自分なんて、本来の自分では無いように思うが、人生の大半はこんな状態になってしまった。

あとはそんなに長くないかもしれないのだから、また身軽にならないと。

 

大陸のあちこちを飛び歩いて、結局はどこに行っても農民が一番幸せそうだと思った祖父は、戦後は農家になった。

でも私の記憶では、祖父の笑った顔を見た事がなかった。

本当は、ずっと放浪していたかったのかもしれないな。