長いような短いような、二箇月が過ぎた。
亡くなった人は、もうこの世ではないどこかで楽しくしているのだろうか。
私も、最近はあまり泣かなくなった。
逆に怒ったりしている。
結局置いていかれた訳だし、利用されただけじゃんと思ったりして。
何にしても、かなり気持ちに整理がついたという事だ。
月命日には、彼が美味しいと言ってくれた食事を作る事にした。
あんまり彼の部屋にも行けなかったし、行ってもそんなに料理はしなかった。
そんな中でも、一番美味しいと言ってくれた料理。
彼が居なくなったすぐには、想い出すから悲しくて作れなかった。
もう一生食べられない、と思ったくらいだった。
今は彼を思って作る事が、毎月の楽しみになりそうだ。
一時期は本当に不安定になっていて、医療に頼るしかないかもと思ったし、死別者同士のグリーフケアに参加しようかなどと思ったりしていた。
毎日泣きながら歩いて、泣きながら仕事したりしていた。
マスクがあるので、周りに気づかれないのがありがたかった。
なんだか急に区切りが付いたような気がしたのは、五週間が過ぎた頃だった。
仏教で言えば、三十五日の法要の頃。
その頃から、急に泣かなくなった。
あんなに哀しくて、もう生きていけないくらいに思って、ずっと泣いていたのに。
急に立ち直って、自分でもなんか情が無さすぎじゃんと思ったくらいだった。
でも、これで良いのだろう。
今でももちろん泣くし、彼を助けられなかったのは自分の所為かも知れない、と思ったりもする。
だけど、もう変えられない事なのだから。
彼が居なくなってからの私の独り言は、「つまらないなぁ」になってしまった。
もうあんまり泣かないけど、やっぱり彼が居なくてつまらないよ。