おやすみ やすらかに たどれゆめじ

竹内結子が消えてしまった。

 

彼女のファンって事もなく、実のところドラマもちゃんと観たこともなかったかも知れない。

それでも最近では、わりと好きな女優だった気がする。

最後に観たのは「ミス・シャーロック」だったか。

それも地上波でやってた、最初の数話だけだ。

男性っぽい役柄が、彼女に合っていて、全部観てみたいなと思わせた。

 

彼女のデビューした頃は、私はテレビをほとんど観ていなかった。

それはテレビが壊れてしまって、観られなかったからだ。

いつの間にか人気女優になっていて、若いうちに歌舞伎役者と結婚した。

その時に初めて、この女優を認識したのかも知れない。

その時この子はきっと、早く自分の家族が欲しかったのだろうなと思った記憶がある。

 

彼女が番宣なんかでテレビに出ていると、いつも大きな笑顔で笑っていた。

サバサバとした感じで、女性らしいというよりはしっかりしたお姉さんだった。

 

いなくなってしまってから、報道でいろんなものをみる。

子供の頃に父親の再婚でやってきた新しい母と、連れ子の姉達の中で居場所がなかったということ。

10代で芸能界に入って、もう戻る場所はないと言っていたということ。

 

彼女が作りたかった居場所を、彼女は結局作れなかったのだろうか。

二度の結婚で二人の子供を産み、その子達にも居場所を作れなかったと思ったのだろうか。

 

私は彼女の作品をもっと観たかった。

正直いうと、最近になって良い女優だなと思ったので、今まで全部ちゃんと観たものって多分なかった。

これからは、もっとちゃんと観たいなくらいに思っていた。

それがもう叶わない。

 

それでも彼女は女としては子供も残せたし、やるべきことはやったと思えたのかも知れない。

或いは、あー早まったと思って、今頃あの笑顔で笑っていたりするのかも知れない。

 

あなたが逝った次の日は、東京は快晴でした。

明るい空を、あなたがくるくると飛んでいるのを想像しました。

 

さよなら。

おやすみ。

やすらかに。