残暑は続くが、秋である。
最近、『アウシュヴィッツの図書係』という翻訳本を読んだ。
事実を元にしたフィクションなので、ノンフィクションのような読み進むのが辛いという文章では無かった。
事実は事実で淡々と語られ、当事者がその悲惨な状況の中で思った事も淡々と書かれている。
だからこそ、時々、自分がその経験をしているような気持ちで読んでいた。
ノミやシラミにまみれた寝藁の中で寝た事などないが、その不衛生な場所で淡々と生活している感覚を味わった。
日々ガス室に選別されていく人間、それを焼却する煙が常に見えるような場所。
いつか自分もそうなるかも知れないという日常。
そんな中で、密かに貸し出されるたった8冊の本。
それを命がけで管理する少女。
最近読んだ中では、一番良い本でした。
これから秋も深まるし、本ももっと読もう。
いろいろもやもやしていた事にも、なんとなく自分なりに結論もでたしね。