遠いお話

誰かを好きだったのは、遠い昔だ。

今では、そんなの幻想でしかない。

 

若い女の子と少し仲良くしてもらって嬉しかったが、愛だの恋だの真っ只中の様子に、正直もはや嫌悪感すら感ずる。

しかも、その子がどう考えても、職場の上司と不倫している。

あんなに聡明で可愛い子なのに、騙されてるというか、若いからそれを愛だと思ってのぼせているのだと思うと、がっかりだったり不憫だったり。

でも本人はその制約のある恋愛に、のぼせ上がっているのだ。

 

なんだろうなぁ。

考えてみれば相手の男も、彼女と付き合い始めた頃から、周りにアピールするように机の周りに子供の写真やら絵やらを飾り始めた。

今思えば、カモフラージュだったのだ。

良き父であるかのような。

しかし、それを飾られる女性の側としては、相当傷付く事なのでは。

いやー。

いろいろ気持ち悪い。

しかも自分の過去の嫌な恋愛の記憶まで呼び起こされて、もう気持ち悪くて仕方ない。

 

妻帯者と独身女性の恋は、どう考えても女性が不利だ。

妊娠のリスク、発覚して訴えられるリスク、職場にバレて仕事を失うリスク。

目を覚まして欲しい。

でも、今は無理なんだろうなぁ。

あんな中年のデブのどこが良いのか解らないが、新卒で免疫のなかった女子が初めて付き合った相手なんだろう。

簡単には離れられないんだろうな。最初の大人の恋愛なら、ここが基準だから良いも悪いもないんだろうな。

あー気持ち悪い。

すごく良い子なんだけど、いっそ二人で居なくなってくれと思うくらい、気持ち悪い。

 

そんな愚痴も言いたくなる夜更け。